隔離の文学 ハンセン病療養所の自己表現史


 

著者:荒井 裕樹

発行日:2011年11月30日

ページ数:334p

価  格:本体2,200円(+税)

 

著者紹介:

(あらい・ゆうき)
1980年、東京生まれ。2009年、東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員。専門は日本近現代文学・障害者文化論。ハンセン病・身体障害(脳性麻痺)・精神障害の当事者たちの文学活動や社会運動の研究、および医療施設における自己表現活動の支援に取り組む。著書に『障害と文学――「しののめ」から「青い芝の会」へ』(現代書館、2011年2月)。

 

本書の内容:ハンセン病者への隔離政策が確立する1930年代から、軍靴の音響くアジア・太平洋戦争期を経て、民主主義を謳歌する1950年代まで――この激動の時代に、病者自身が描いた文学作品を研究・考察した10章から成る。

ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合ってきたのか。また逆に、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。

本書は、終生隔離という極限状況に置かれた者が、いかにして「抑圧された生命(いのち)を生きる意味」を紡ぎだすのかという普遍的な問題に挑む。

 

読みどころ:医学者でもなく社会運動家でもない著者が、「文学研究」というパスポートのみを携えて、ハンセン病者に取材し、ハンセン病図書館の資料の海に身を浸し続けた文学研究の集大成です。例えば、第5章 御歌と〈救癩〉では、皇族による文学がハンセン病者の隔離政策にどのように機能したのかを、第6・7章 ハンセン病者の戦争詩(前・後編)では、あまりにも美しく痛ましい具体的な作品を上げながら、本書は一貫して、【文学とは、生命の砦(とりで)なのか、隔離の檻なのか】を追究します。



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